百舌鳥・古市古墳群って何? 入試に出る?

ユネスコの諮問機関が、大阪府の「百舌鳥もず古市ふるいち古墳群」を世界遺産に登録することがふさわしいとする勧告をまとめました。これにより、「百舌鳥もず古市ふるいち古墳群」はことし6月の世界遺産委員会で世界文化遺産に登録される見通しとなりました。

過去問にも出た! 世界遺産

世界遺産といえば、高校入試でもまあまあ頻出です。どんな問題が出るのか、今までの神奈川県公立高校入試問題を覗いてみましょう。

平成26年度 社会

平成26年度の社会の問題では、地理の分野で世界遺産に関する問題が出題されました。

問題 [ B ]にあてはまるものを選択肢から一つ選びなさい。

(略)また,この山地の一角にあたる吉野は,和歌山県の熊野三山,高野山などとともに,「紀伊山地の霊場と参詣道さんけいみち」として,国際連合の教育や文化を担当する専門機関である[ B ]の世界遺産委員会の世界遺産一覧表に記載されています。

 1.UNICEF
2.UNESCO
解説:国際連合&世界遺産の基礎知識

国連の専門機関として2つの選択肢が挙げられています。

1のUNICEFは国連児童基金の略称で、すべての子どもの命と権利を守るために活動する機関です。 主に発展途上国や戦争中の国の子どもたちに食糧や医療などの支援を行っています。

2のUNESCOは国際連合教育科学文化機関の略称で、教育、科学、文化の協力と交流を通じて、国際平和と人類の福祉の促進することを目的とした機関です。 世界遺産委員会を設置していることでも有名です。世界遺産登録決定のニュースなどでよく耳にしますね。

国連の専門機関は頻出ですから、それぞれの役割を具体的な活動とともにしっかりと押さえておきましょう。また、何よりUNESCOが世界遺産に係るというイメージさえ持っていれば簡単に答えられる問題ですから、落とさないようにしておきたいところ。


平成28年度 社会

平成28(2016)年度入試では、歴史分野で世界遺産の平泉に関する問題が出題されました。

問題 [ E ]にあてはまる語を漢字2字で書きなさい。

五月雨さみだれの 降りのこしてや ひかりどう」松尾芭蕉は,現在の岩手県の平泉町にある,かつて奥州藤原氏が建てた[ E ]寺金色堂を訪れ,この句を残したと言われています。(略)

解説:2011年度登録の世界遺産

『おくのほそ道』の作者として知られる松尾芭蕉が、その道中に平泉にある中尊寺を訪れたときに詠んだ句が取りあげられています。中尊寺は2011年に世界文化遺産に登録された、初代奥州藤原氏の藤原清衡が建てたとされるお寺です。中でもその黄金の輝きを放つ姿が特徴的な金色堂は、中尊寺を象徴するお堂で、芭蕉の詠んだ「光堂」はこの金色堂のことだと言われています。

中尊寺金色堂以外にも、社会の歴史分野では多くの世界遺産が登場します。京都・奈良の文化財、首里城などなど。後世に残すべき「遺産」として認定されるものですから、知っていて当然のものばかりです。世界遺産どうこう以前に、歴史の超重要事項ばかりですから確実に覚えておきましょう。


平成18年度 社会

平成18(2006)年度の地理分野の問題。なかなかの難問です。わかりますか?

問題 国連教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産委員会が,2005年に世界自然遺産として登録を決定した地域がある場所は,次に示した1~4のどこか。

日本地図
解説:時事問題的要素を含んだ難問

2005年に登録された世界自然遺産の場所を答える問題。正答は4の知床。2005年7月に登録されました。出題されたのは2006年2月ですから、非常に時事問題的性格の強い1問です。

ちなみに、1は1996年に登録された広島県の原爆ドームいつくしま神社。2は1999年登録の日光東照宮などに代表される、栃木県の日光の社寺。これら2つは自然遺産ではなく文化遺産として登録されています。3は1993年登録の青森県と秋田県にまたがる白神山地のある地域を指しています。

「自然遺産」で3か4というところまでは絞り込みたいですが、登録時期が絡むとなると当時あまりニュースを見ていなかった人には厳しい問題だったかもしれません。

もう10年以上前ですが、こうした時事問題的性格の強い問題も出題されています。(だからといって、めったに出ない時事問題のための対策をするのは得策ではありません。)


過去問における世界遺産まとめ
  • まあまあよく出る
  • 世界遺産は歴史上でも重要事項
  • 時事問題が出たことがある(けど対策するほどじゃない)

じゃあ百舌鳥・古市古墳群ってなんなの?

さて、過去問を見てきて、世界遺産がまあまあ出るということはわかりました。今回新たに登録される百舌鳥もず古市ふるいち古墳群もチェックしておいても損はなさそう。

でも、そもそも「百舌鳥もず古市ふるいち古墳群」って一体どんな遺産なのでしょうか? さっぱり知らない方のためにサクッと解説します。

大山古墳で有名

百舌鳥もず古市ふるいち古墳群」は大阪府内に4世紀後半から5世紀後半にかけて造られた古墳群です。

中でも最も代表的なのが大山だいせん(仙)古墳です。仁徳天皇が眠っているといわれているため、仁徳天皇陵と呼ばれることもありますが、実際のところその話が本当かどうかはよくわかっていないので、教科書などには大山だいせん(仙)古墳と表記されることが多いです(教科書に嘘は書けないので)。

大山だいせん(仙)古墳は全長525メートルに及ぶ国内最大の前方後円墳です。エジプト・クフ王のピラミッドや中国・秦の始皇帝陵などと並び世界最大級の王の墓ともいわれるそうです。古墳時代中期に造営されたもので、完成まで16年かかったという試算もあるそうです。

前方後円墳の代表として、ほかの世界遺産同様、中学校の教科書に載っています。つまり、入試で出題される可能性はゼロではないということです。

練習問題を解いてみよう!

となれば練習あるのみ。この記事を読んだあなたなら簡単に解けるはずです。

解説:頭の隅に

この記事を読んだあなたなら簡単に解けたはず。細かい知識ですが、頭の片隅にでも置いておいてくださいね。

問1 3(ほかの遺跡の位置も確認しておきましょう)

問2 前方後円


結局入試に出るのか

ここ最近、登録されたばかりの世界遺産が出題された例はあまりありません(2007年以後)。そもそも神奈川県の公立高校入試は時事問題は出ないのが通例ですから、あえて対策する必要は全くありません。もし仮に出たとしても上の練習問題レベルだと思いますので、ほかの基礎問題で点を落とさないようにすることの方がずっと大切でしょう。

少なくともこの記事の内容をしっかりと頭に入れたあなたは、百舌鳥・古市古墳群についてもう勉強する必要はありません。(笑)