特定技能1号の外国人を雇用している企業では、在留期間の更新手続きが必要になります。
「在留期限が近づいてきたけれど、いつから準備すればよいのだろう?」
「会社が準備すべき書類は何だろう?」
このように迷う担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
在留期間が1年以上ある場合、更新準備は期限の4か月前を目安に始め、3か月前から申請できるようになったら、できるだけ早く申請することをおすすめします。
書類の準備には意外と時間がかかります。また、審査が長引いて在留期限を過ぎると、外国人本人の生活にも影響することがあります。
この記事では、特定技能1号の外国人を雇用する企業の方に向けて、更新準備の始め方や実務上の注意点をわかりやすく解説します。
1. 在留期間更新の準備はいつから始める?
特定技能1号の外国人が、在留期限を過ぎても同じ在留資格で働き続けるためには、「在留期間更新許可申請」が必要です。
在留期間が6か月以上の場合、原則として在留期限の3か月前から更新申請ができます。
ただし、3か月前になってから準備を始めるのでは、余裕がない場合もあります。
当事務所では、在留期間が1年以上ある方については、在留期限の4か月前を目安に準備を始めることをおすすめします。
例えば、次のようなスケジュールです。
| 時期の目安 | 準備すること |
|---|---|
| 4か月前 | 本人が今後も働き続けたいか、現在の雇用契約に変更がないかを確認する |
| 3か月前 | 必要書類を集め、申請書類を作成する |
| 3か月前〜45日前 | 書類が整い次第、できるだけ早く申請する |
| 申請後 | 入管からの追加書類の依頼や審査結果を確認する |
※これは実務上の目安です。在留期間が短い場合は、より早い段階から準備を進める必要があります。
なお、出入国在留管理庁(入管庁)も、在留期限内に許可を受けたい場合には、原則として期限の45日前までに申請するよう努めることを案内しています。
更新申請の期限は原則として在留期限までですが、ぎりぎりの申請は避けたいところです。また、オンライン申請は在留期限の当日にはできないため注意しましょう。
2. なぜ、更新申請は早めに行った方がよいのか?
入管庁が示している更新申請の審査期間の目安は、2週間から1か月です。
ただし、実際には申請内容や審査状況によって時間がかかる場合があります。追加書類の提出を求められることもあるため、余裕を持った申請が大切です。
在留期限を過ぎても、一定期間は在留できる
期限までに更新申請を行い、審査結果が出る前に在留期限を迎えた場合、一定の条件を満たせば「特例期間」が認められます。
特例期間とは、更新申請中に在留期限を迎えても、一定期間はこれまでと同じ在留資格で日本に滞在し、働くことができる制度です。
この場合、審査結果が出るまで、または在留期限から2か月が経過するまでの、いずれか早い時点まで在留できます。
在留期限を過ぎると、日常生活に不便が生じることも
在留カードは、銀行口座やクレジットカードの手続き、マイナンバーカードの利用、日本語能力試験(JLPT)の本人確認など、さまざまな場面で使われます。
在留期限までに更新許可が出なかった場合、申請中であることを証明する書類の提示や、別の手続きが必要になることがあります。
ひとことメモ|更新申請中の証明
例えば、オンライン申請では、申請受付番号が記載されたメールを在留カードとともに携帯する必要があります。窓口申請の場合は、原則として在留カードの裏面に「申請中」であることが記載されます。
こうした方法で対応できる場合もありますが、在留期限を過ぎても新しい在留カードを受け取れていない状況は、外国人本人にとって大きな不安につながります。
できるだけ特例期間に入らずに済むよう、早めに更新申請を行うことをおすすめします。
3. 最初に確認したいのは、外国人本人が今後も働き続けたいか
更新申請の準備というと、必要書類を集めることから始めるイメージがあるかもしれません。
しかし、その前に確認しておきたいことがあります。
それは、外国人本人が、更新後も同じ会社で働き続けたいと考えているかという点です。
実際に、更新の時期になって本人に確認すると、「転職を考えている」と言われるケースもあります。
そのため、書類を準備する前に、本人と次のようなことを話し合っておくとよいでしょう。
- 今後も同じ会社で働きたいと考えているか
- 現在の仕事内容や労働条件について、希望や困っていることはないか
- 今後、どのような仕事をしたいと考えているか
- 特定技能2号への移行など、将来のキャリアについてどう考えているか
なお、特定技能1号で日本に在留できる期間は、原則として合計5年以内です。更新時には、あとどのくらい在留できるかも確認しておきましょう。
単に「更新しますか?」と聞くだけではなく、更新のタイミングを、本人と今後のキャリアについて話し合う機会にすることも大切ではないでしょうか。
4. 企業側は雇用契約の内容を確認する
本人が今後も働き続けることを希望している場合は、企業側で雇用契約の内容を確認しましょう。
特に確認したいのは、次の点です。
- 現在の雇用契約はいつまで有効か
- 契約の更新や再締結が必要か
- 給与や手当、勤務場所、仕事内容に変更はないか
- 特定技能外国人を雇用するための条件を引き続き満たしているか
例えば、現在の雇用契約が終了する場合は、新しい雇用契約書や雇用条件書を準備する必要がないか確認しましょう。
なお、在留期間の更新申請をするたびに、必ず新しい雇用契約書を作成しなければならないわけではありません。現在の契約内容や契約期間によって対応が異なります。
また、給与や勤務場所などの条件を変更した場合には、更新申請とは別に、入管庁への届出が必要になることがあります。
5. 税金・社会保険の納付状況も確認する
更新申請では、外国人本人の住民税や社会保険料などが、適切に納付されているかも確認されます。
本人にも早めに状況を確認してもらい、必要な書類を準備しましょう。
特に注意したいのが、住民税の課税証明書・納税証明書です。
来日して間もない場合は、証明書が発行されないことも
例えば、2026年4月に初めて日本に入国した外国人が、同じ年に更新申請をする場合を考えてみましょう。
住民税は、原則としてその年の1月1日に住所があった市区町村で課税されます。
この外国人は2026年1月1日時点では日本に住所がなかったため、2026年度の住民税の課税証明書・納税証明書が発行されない場合があります。
では、必要な証明書が取得できない場合は、どうすればよいのでしょうか。
証明書を取得できないときは、理由書を提出する
入管庁のQ&Aでは、住民税の課税証明書・納税証明書を提出できない場合、次の方法が案内されています。
- 提出できない理由を書いた「理由書」を提出する。
- 源泉徴収票や給与明細など、最近の所得がわかる資料があれば一緒に提出する。
理由書には決められた書式はありません。
例えば、次のように記載できます。
住民税の課税証明書・納税証明書を提出できない理由書
私は2026年4月に初めて日本へ入国し、2026年1月1日時点では日本国内に住所を有していませんでした。
そのため、2026年度の住民税の課税証明書及び納税証明書が発行されず、提出することができません。
なお、現在の所得状況を確認できる資料として、給与明細書を添付いたします。
2026年10月26日
作成者:〇〇 〇〇(申請人本人)
※架空の記載例です。実際には入国日や証明書が発行されない理由に合わせて作成してください。
理由書には、必ず作成年月日と作成者の氏名を記載するようにしましょう。
また、証明書が発行されない場合と、税金が未納になっている場合は別です。支払う必要がある税金や社会保険料については、未納がないか確認しておきましょう。
6. 必要書類と手数料を最終確認する
更新申請には、外国人本人に関する書類や、仕事内容の分野に応じた書類などが必要です。
必要書類や申請書の様式は変更されることがあるため、以前の更新申請で使った書類をそのまま使わず、必ず最新版を確認しましょう。
提出書類は、出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」から確認できます。
また、2026年10月1日から、在留期間更新許可申請の手数料が改定されました。
手数料は、許可される在留期間や申請方法によって異なります。最新の金額と支払方法は、入管庁の手数料改定に関する案内をご確認ください。
まとめ|早めの準備と申請が、外国人本人の安心につながる
特定技能1号の在留期間更新申請では、余裕を持って準備を始め、できるだけ早く申請することが大切です。
まずは外国人本人が今後も働き続けたいかを確認し、雇用契約や労働条件、税金・社会保険の状況などを確認しましょう。
在留期間の更新は、企業にとっては雇用管理上の手続きの一つですが、外国人本人にとっては、これからも日本で安心して働き、生活していくための大切な手続きです。
企業と外国人本人が協力して、余裕を持って準備を進めていきましょう。
特定技能1号の在留期間更新申請でお困りの方へ
かなぱす行政書士事務所では、特定技能外国人の在留期間更新許可申請をサポートしています。
- 「在留期限が迫っているので、急いで申請したい」
- 「自社で書類を準備していたけれど、やっぱり行政書士に任せたい」
- 「書類は作成したので、提出前にチェックしてほしい」
このようなご相談も承っています。
お急ぎの案件についても、可能な限り対応いたします。途中まで書類を準備されている場合も、そのままご相談いただけます。
在留期限や書類の準備状況、ご希望のサポート内容を確認したうえで、お見積もりをご案内いたします。
なお、「技術・人文知識・国際業務」など、特定技能以外の在留資格申請にも対応しています。外国人材の採用に伴う申請や、在留資格の変更・更新についてもご相談いただけます。
まずはお気軽にお問い合わせください。
外国人在留資格申請サービス・お問い合わせはこちら →※在留期限や書類の準備状況によっては、ご希望に沿えない場合もございます。
参考資料・関連リンク
出入国在留管理庁|在留期間更新許可申請
在留期間更新許可申請出入国在留管理庁|特例期間とは?
特例期間の案内出入国在留管理庁|在留期間内での変更又は更新許可を希望する場合について
早めの申請に関する案内出入国在留管理庁|在留資格「特定技能」
特定技能の提出書類など出入国在留管理庁|出入国審査・在留審査Q&A
課税・納税証明書が出せない場合のQ&Aなど出入国在留管理庁|オンラインでの申請手続に関するQ&A
オンライン申請中の証明方法など※確認日2026.10.26
※本記事は2026年10月26日時点の法令・公表資料に基づいて作成しています。実際の申請では、最新の制度・提出書類をご確認ください。


