「持続化補助金を申請したいけれど、加点が何も取れそうにない……」
「賃金引上げ加点がないと、採択は厳しいのでしょうか?」
小規模事業者持続化補助金について調べていて、このような不安を感じたことはありませんか?
小規模事業者持続化補助金には、一定の要件を満たす事業者を政策的な観点から評価する「加点」というものがあります。
では、加点がなければ採択されないのでしょうか。
結論からいうと、
「加点がない=採択されない」ではありません。
実際に、私が申請支援を行った案件でも、加点項目を利用せずに採択されたケースがあります。
今回は、小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募の公募要領をもとに、採択審査の仕組みと、「加点」をどのように考えればよいのかを整理しました。
※加点要件は、補助金の種類や公募回によって異なります。申請時は必ず最新の公募要領をご確認ください。
持続化補助金の採択審査は「加点」だけで決まるわけではない
まず、小規模事業者持続化補助金の審査の仕組みを確認しましょう。
①「基礎審査」
必要な資料が提出されているか、補助対象者・補助対象事業・補助対象経費などの要件を満たしているか、補助事業を遂行する能力があるか、といった基本的な事項を確認する審査です。ここで必要な要件を満たさない場合は失格となります。
②「計画審査」
第20回公募要領では、経営計画・補助事業計画について、主に次の4つの観点が示されています。
- 自社の経営状況分析が適切にできているか
- 経営方針・目標や今後のプランが、自社の強み・弱み、市場や顧客ニーズを踏まえたものになっているか
- 補助事業が具体的で、客観的な事実に基づき、実現可能性や有効性のあるものになっているか
- 事業費の計上・積算が正確かつ明確で、本当に必要な金額になっているか
公募要領では、これらについて総合的な評価が高いものから順に採択するとされています。
③「加点審査」
上記と別に設けられているのが「加点審査」です。
第20回公募では、政策的観点から「重点政策加点」と「政策加点」が用意され、それぞれ1種類、合計2種類まで選択できます。
つまり、加点は確かに審査上プラスになる要素ですが、持続化補助金の採択審査そのものが「加点の有無」だけで行われているわけではありません。
持続化補助金は「加点なしでは厳しい」と言われるのはなぜ?
では、なぜ「加点は取ったほうがいい」「加点なしでは厳しい」といった情報を見かけるのでしょうか?
理由の一つは、加点が文字どおり採択審査上のプラス評価になる制度だからです。
ただ、「加点がある=採択される」「加点がない=採択されない」という単純な関係ではありません。
公募要領上も、基礎審査、経営計画・補助事業計画に対する計画審査、そして政策的観点による加点審査は分けて定められています。
実際に私が支援した案件でも、加点を利用せずに採択されたケースがあります。
なので、「加点が取れないから申請しても意味がない」と最初から諦める必要はありません。
むしろ大切なのは、自社の経営状況や顧客ニーズをきちんと整理し、今回の取組がなぜ必要なのかを具体的に説明できる事業計画を作ることだと思います。
では、持続化補助金の加点は取らなくてもいい?
もちろん、「加点は気にしなくていい」という意味でもありません。
現在の自社の状況や、もともと予定している取組が加点要件に該当するのであれば、活用を検討すべきでしょう。
たとえば、第20回公募には、経営力向上計画加点、地方創生型加点、事業承継加点、賃金引上げ加点など、複数の加点項目があります。
加点によっては、一定の日までに認定を受けていることや、必要書類を提出することなどが条件になっています。
重要なのは、「自社に該当する加点がないか確認すること」と、「加点を取るために無理に自社を要件へ合わせること」は別ということです。
特に「賃金引上げ加点」は慎重に
加点の中でも、特に注意したいのが「賃金引上げ加点」です。
第20回公募では、所定の期間について、従業員1人あたりの給与支給総額を前年同期と比較して年平均2.0%以上増加させる目標を設定し、実績報告時点でその目標を達成することが求められています。
「申請時に賃上げしますと宣言すれば加点されて終わり」ではないのです。
第20回公募要領には、賃金引上げ加点の要件を実績報告時に満たさなかった場合、交付決定後であっても補助金は交付されないと明記されています。
また、採択後には給与支給総額を確認するための賃金台帳や、1日の所定労働時間・年間休日などの雇用条件を確認できる書類として、雇用契約書や労働条件通知書等の提出が求められます。
さらに、給与支給総額の算定対象となる従業員にも細かなルールがあります。
第20回では、比較するそれぞれの12か月について、全月分の給与等の支給を受けた従業員が算定対象となり、中途採用や退職などで全月分の給与を受けていない従業員は算定から除外されます。
そのため、「従業員がいるから大丈夫そう」「今から人を雇えば加点を取れるのでは?」といった感覚だけで判断することはできません。
- 対象となる従業員は誰か?
- 目標を現実的に達成できるのか?
- 必要な資料を揃えられるか?
しっかり確認したうえで検討する必要があります。
加点を取るために経営を変えるのは本末転倒
補助金についてネットで調べていると、
「この加点を取っておいたほうがいい」
「この認定を取ってから申請したほうがいい」
「賃上げ加点がないと厳しい」
といった情報を見かけることがあります。
繰り返しになりますが、もちろん無理なく要件に当てはまるのであれば、利用を検討する価値はあります。
しかし、
加点を取りたいから、経営状況に見合わない賃上げ計画を立てる。
加点を取りたいから、必要性を十分検討しないまま人を雇う。
加点要件に合わせるために、本来の経営計画を変える。
…このようになると、補助金を利用する目的と順番が逆になってしまいます。
まず自社の経営課題や今後の計画があり、その結果として、「この加点なら無理なく要件を満たせそうだ」となるのが自然な順番ではないでしょうか。
加点を取るために経営を変えるのではなく、自社の経営に合う加点があれば使うというスタンスがよいと思います。
補助金の情報は、公募回や申請枠まで確認を
もう一つ、補助金の情報を調べるときに注意したいことがあります。
それは、補助金の要件は、公募回や申請枠によって変わるという点です。
第20回公募要領にも、公募要領は必要に応じて改定されるため、申請時には最新の補助金事務局ホームページを確認するよう明記されています。
実際、賃金引上げに関するルールも、第19回と第20回では内容が変わっています。
そのため、ネットの記事やSNSで、
「この場合は対象外」
「この加点はこうすれば取れる」
という情報を見つけても、
いつの公募回について書かれた情報なのか
まで確認することが重要です。
過去の記事が間違っているとは限りません。
公開当時は正しい情報でも、その後制度が変わっている場合があります。
補助金については、ネットの記事を参考にしつつも、必ず自分が申請する回の最新の公募要領・公式資料に戻って確認するようにしましょう。
まとめ|持続化補助金は加点なしでも採択される可能性がある
持続化補助金の加点は、要件を満たせるのであれば活用を検討する価値があります。
しかし、「加点がないから採択されない」わけではありません。
実際に、加点を利用せずに採択された申請事例もあります。
そして第20回の公募要領を見ると、採択審査では、自社の経営状況を適切に分析できているか、市場や顧客のニーズを捉えているか、補助事業が具体的かつ実現可能なものになっているか、売上高・売上総利益の増加につながる計画になっているか、といった内容が審査されます。
したがって、まず考えるべきなのは、
- 自分の事業は今どのような状況にあるのか。
- 誰に、どんな価値を提供しているのか。
- お客様は何を求めているのか。
- これからどのような事業にしていきたいのか。
- 今回の取組によって、どのように経営課題をクリアできるのか。
という事業計画そのものです。
加点を取るために無理に経営や計画を要件へ合わせるのは、本末転倒です。
申請前には、自社に無理なく使える加点があるかを確認しつつ、それ以上に、自社の強みや顧客ニーズ、販路開拓のストーリーを丁寧に整理してみることをおすすめします。
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補助金申請サポートの詳細を見る →参考資料
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)
第20回公募要領(第8版)小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>公式サイト
申請について※確認日2026.9.29
※本記事は、2026年9月29日時点で公開されている「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)」および実際の申請支援経験をもとに、一般的な情報を解説したものです。第20回については、現時点で別紙「参考資料」、ガイドブック、よくあるご質問等が準備中となっています。申請時には必ず最新の公募要領・公式資料をご確認ください。


